GA文庫分のポリ赤から続けて、ココまで読破しました。騒・動の赤に対して、静・寂の黒というところでしょうか。
犯罪捜査としての物語が一面としてあり、本格&新本格「も」読む私からすると犯行現場(犯罪発現現場)のカット(イラスト)も欲しいかな、と思いました。
全編一気に読むと、1巻目のインスペクターがちょっと異色に感じます。次が3巻のプレイヤー。前者は強すぎる犯罪色で、後者は弱すぎる犯罪色で。バランスって難しいですねぇ。
2巻のサイレントと当の4巻のトライアングルは、物語の根底に「復讐」があります。これを警察官の目線で物語を巧く紡いでいると思います。犯人を庇い保護対象者を八つ裂きにしたいのに、立場が許されないジレンマ。2巻ではやりきれない悲しみを、4巻では立ち直る前向きさを、と巧く描き分けていたと思います。
マティアは、もう少し表情の差があってもいいかなぁ。他人と壁があると度々書かれている割に、それが崩れる場面が多いような気がします。もっとIceDollぽい感じをイメージしてました。殻を破ろうとした3巻はともかく・・・。
マナガはイメージどおりです。何度か赤で出てきたイメージがそのまま(赤を先に読んだので、どうしてもこうなります)でした。
個人的に好きなのがクスノメさん。実は赤でも出演済みなので・・・もちっと出番を増やして(赤でも黒でも)欲しいですね。黒の方でユフィさんも。。。1巻と2巻ではちゃんと出てたんですが。
それと、このシリーズで好きなフレーズをひとつ。
「無頼の男が酒場の隅で、歯を食いしばり、喉の奥に号泣を呑み込みながら、それでも肩の震えを隠しきれずにむせび泣いてるような、そんなブルースだ。」
マティアの奏でる闇く哀しいブルースを、巧く表現していると思います。