(たぶん)一番セピア色が似合う漫画家さんでしょう。冬目景さんの最新刊、幻影博覧会の第3巻です。
時は大正時代。資産家の次男坊・松之宮遥が営む探偵事務所に、恩師の紹介で助手としてやってきたミステリアスな女の子・高苑真夜。
この二人が遭遇するちょっとミステリな事件の物語。
ヒロインの真夜は、女の子が知っていそうな事を知らずに、妙に専門的な知識がスラスラと出てくる変わった娘で。。。曰く「未来の事が頭に浮かぶ」のだと。
線画というか版画というか、朴訥とした(というのは絵柄に対しては使わないのかな?でも、この言葉が一番シックリくるんです)絵柄で白黒なのにセピアがかって見えるのが不思議なタッチです。「ミステリ」と「浪漫(かたかなのロマンではなく)」という文字が一番似合う漫画家さんだと思います。
淡々としている中にも登場人物それぞれの想い・・・恋愛と親愛の微妙なライン上で・・・が描かれているのは、氏の既存の作品に洩れずこれでも描かれています。
以前、氏の作品がアニメ化されたことがありますが・・・羊のうた(03年)・・・氏の作品を動かすのはムリです。実写化(これも羊のうたで主演小栗旬&加藤夏希でされています)はもっとムリです。このマンガの色は、二次元・モノトーン・印刷物という状態が一番表現できていると思います(決してカラーが下手だと言っているわけではなく)。
ぜひとも完結までこぎつけて欲しいなぁ(w